このカテゴリーでは、借地権付きの家を増改築したり建替えたいと考えている借地権者向けにとるべき手段などを紹介しています。
借地権契約は数十年単位になるので、実際にその土地で暮らしていれば、家の修理や建替えの必要性に迫られることもあるでしょう。経年劣化にともなう修理などは、地主の許諾なしに修繕することができる場合もありますが、借地権で借りている土地に建つ家は、大規模修繕に際して地主の承諾が必要となります。詳細ページでは、そうした借地の家に関する修理や増改築、建替えリフォームなどについて知っておくべき情報をまとめてみました。
借地権契約には禁止事項が設定されているケースもあり、仮にちょっとした修繕であっても地主の承諾を必要とすると書かれていることもあるでしょう。ただし、法的に小規模修繕は地主の承諾が不要とされていて、たとえ禁止事項とされていても借地人は自由に修繕をすることが可能です。
ここで言う小規模修繕とはいわゆるリフォームのことで、経年劣化にともなう修繕や補修については基本的に地主の承諾を得る必要はありません。
たとえば屋根や外壁を塗装したりするのは一見すると大がかりな作業ですが、その目的は劣化または破損部分の修復・補修ですので小規模修繕に該当します。
一方、増築や改築のような大規模修繕となると地主の承諾が必要。増築とは建物の床面積を増やしたり、敷地内に付属の建物を追加で建てたりすることです。
土地に対して建物が占める割合が大幅に増えるわけですから、地主の承諾が必要となるのは当然と言えるでしょう。
一方、改築とは建物の一部または全部を建て直すこと。改築と言うと部屋をひとつ潰して、新たな部屋を作る…などのイメージがありますが、実際には建物を支える柱を変更した場合も改築と見なされることがあるので、この小規模と大規模の線引きが難しいところだと言われています。
本来は申告不要なのに地主に問い合わせてしまった…というのならさほど問題ありませんが、注意したいのは地主に承諾を得なければいけなかったのに、自己判断でスルーしてしまったケース。
借地で増改築を行う場合は、しかるべき手続きのもと、地主に増改築承諾料を支払って着工しなければならないという決まりがあるためです。
もし無断で増改築してしまった場合、地主から借地権契約を解除させられる恐れがあります。
そのため、「自分がこれからやろうとしている増改築は果たして地主の承諾を必要とするものなのかどうか」をきちんと見極めることが重要です。
そこで詳細ページでは、改築と判断された事例なども取り上げながら、借地人にとってのリフォームでも大規模修繕に該当するケースや、増改築をする際に支払う承諾料などを説明しています。
地主との無用なトラブルを避けるためにも正しい知識を身につけ、円満に増改築できるよう万全の対策を整えておきましょう。
あわせて、万一地主との間で摩擦が生じた場合の対処法も掲載していますので、すでに借地に家を建てている人はもちろん、今後借地契約を検討しているという人も要チェックです。
借地の家を建替える場合、契約書に制限がない場合は別ですが、一般的には地主の承諾が必須要件となります。加えて、借地条件が変更となるのかならないかも重要なポイントです。
借地条件の変更にあたるかどうかは建て替えの内容によって判断されます。たとえば木造住宅の場合、同じ仕様の建替えであれば借地条件を変更する必要はありません。
一方、
といった場合は借地条件の変更に該当します。
その場合、地代を見直すなど新たな条件をもうけた上で、改めて借地権契約を締結しなければいけません。
地主に支払う費用としても建替え承諾料に加えて、借地条件の変更によって発生する「条件変更承諾料」が必要なケースもあることを知っておいてください。
こうした費用の相場は条件によっても異なるので一概には言えませんが、
が相場となっています。
決して少ない金額ではないので、無断で建替えした場合は地主とトラブルになることは避けられません。「知らなかった」では済まされない問題に発展しますので、少しでも建替えに当てはまるような案件でしたら、地主に問い合わせてみましょう。
ただ、正直に建替えを申し込んだ場合でも、地主側からNGを出される場合もあります。また、承諾は得られたものの、必要書類を準備する段階で一転して拒否されたというケースもあるので最後まで油断はできません。
土地やお金が絡んでいる問題はこじれやすく、場合によっては家庭裁判所などに出向いてしかるべき手続きを取らなくてはいけないこともあります。
当然のことですが、余計なトラブルを起こさないに越したことはありません。
借地の家を建て替えする際は、何より、地主との交渉が大きな意味を持ちますので、建替えを検討し始めたら不備がないようきちんと下準備を整え、覚悟の上で交渉に当たることが大切です。
そこで詳細ページでは、地主に建替えの承諾を拒否され、次回の更新もしないと言われた事例も合わせて、借地の家の建替えリスクなどを紹介しています。
また、トラブルやリスクを未然に防ぐためにはどうすればいいのか。その対処法についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
第三者から住宅や土地などの財産を譲り受けた場合、その財産に応じて一定の贈与税が課せられる仕組みになっています。
ただ例外もあって、国土交通省によると「住宅の敷地の用に供される土地や借地権の取得」については贈与税を非課税とする措置を受けられると明記されています。
ここでいう土地取得の範囲には住宅の新築、取得または増改築等とともにする土地や借地権の取得も含まれているため、借地権付きの家を増改築したいと考えている人にも当てはまります。
ただ、非課税の適用を受けるためには、増改築等工事において「増改築等の工事費が100万円以上」など一定の要件を満たしている必要があります。
そういった条件を満たし、特例措置の対象となることを証明するために必要となるのが「増改築等工事証明書」です。
どのような増改築等工事を行ったのかが細かく記載されているものなのですが、発行可能なのは以下4つに限られています。
ちなみに、増改築に直接関わったことがなくても設計図書の確認や実地調査などを行えば増改築等工事証明書を発行することができますので、専門家に相談してみましょう。
もし地主に増改築を断られてしまった場合、借地借家法17条2項に基づき、裁判所に対して地主の承諾に代わる許可を求めることができます。
参考:『 借地借家法』電子政府の総合窓口 e-Gov[イーガブ]
もし裁判所で許可が下りた場合、地主の承諾を得ずに増改築を行ったとしても、それを理由に地主側が契約を解除したりすることはできません。
ただ、裁判所に訴えればすべて許可が下りるというわけではなく、その増改築が借地借家法17条2項における「土地の通常の利用上相当とすべき増改築」であると判断してもらわなければなりません。
形式上は土地の位置や広さ、周囲の土地との関係などさまざまな観点から見て判断されると言われていますが、実際には承諾料を支払うことで許可が下りるケースが多いようです。
ちなみにこのとき支払う承諾料の相場は借地権価格の2~5%程度。ただ、明確な基準はなく、案件によって前後するのであくまで参考に留めておいてください。
借地契約では建物の用途について一定の制限が課せられていることが多々ありますが、もし「住居を事業用の店舗などに変えたい」など用途を変更したいと思った場合、まずは地主側に借地条件の変更を要求することになります。
それで協議が調い、条件変更承諾料を地主側に支払って終了となれば良いのですが、協議が決裂してしまった場合は借地借家法17条1項に基づき、上記の増改築のケース同様、裁判所に申し立てを行うことで借地条件の変更を求めることが可能です。
この申し立てが認められるかどうかについて重要なポイントとなるのは、法令による土地利用の規制の変更や付近の土地の利用状況の変化など、さまざまな事情によって用途変更せざるを得ないと判断されるかどうかということ。
たとえば借地を含むエリア一帯が防火地域に指定されたため、鉄筋の建物に建て替えたい……などの理由があれば用途変更が認められる可能性が高くなります。
そのほかにもさまざまなパターンで認められることがありますので、もし地主から用途変更を断られたら、裁判所に申し立てることも考慮してまずは専門家に相談してみることをおすすめします。